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「その作業、本当に必要ですか?」業務変革のヒントだらけのExpense expo 2019

こんにちは、マネーフォワード広報担当の稲増です。9月13日に東京のJPタワーで開催されたExpense expo 2019に参加してきました。

「Expense expo 2019」は、マネーフォワードが提供するビジネス向けクラウドサービスのシリーズのひとつである『マネーフォワード クラウド経費』のチームが主催するイベントで、今年で2回目の開催です。今年も300名を超える多くの方々が訪れていました。

このイベントがちょっと変わっているのは、経理という部門にスコープを絞り込んでいること。バックオフィスという広い範囲のイベントは数多く開催されていますが、「Expense expo 2019」は、経理担当者が知りたい情報をぎゅっと詰め込んだコンテンツだったり、経理担当者が悩みを共有したり交流する時間を重視しています。

今回は、当日の基調講演の様子をメインに、当日の様子を写真と共にレポートします!

「経理はニッポンの伸びしろだ。」ってどういう意味?

昨年は、「経理から始める働き方改革」というテーマで開催しました。初回ということもあり手探りでしたが、まずは中小・中堅企業の経理部門の方々が必要としている、他社の取り組みに触れてもらったり、社外の出会いの場を提供することを目指して開催しました。

そして2回目である今年のテーマは。「Change Readiness 経理はニッポンの伸びしろだ。」

伸びしろがあるというのは、変革する余地があるということ。でも変革するためにどうしたらいいのか…?そんな答えを知っている、先陣を切って改革を進めてきた変革者たちの話を聞くコンテンツを企画しました。

基調講演は、業務改革をしてきた変革者3名が登壇

「変革者たちに聞く、管理部門から進める業務改革とは?」と題した基調講演でイベントはスタート。管理部門の業務改革を率いてきた変革者として、3人にご登壇いただきました。

・キャディ株式会社
 経理管理本部の柿澤 仁さん

 キャディは、金属加工や板金加工のBtoBの受発注のプラットフォームを運営している急成長ベンチャー企業です。

・日本ケロッグ合同会社
 人事総務IT部 部長の門野 映子さん

日本ケロッグは、アメリカに本社をおいているシリアルやプリングルスなどのスナック菓子を展開しています。フルーツグラノーラなども有名です。

・株式会社丸千代山岡家
 人事総務部 システム課 課長 田中 陽里さん

丸千代山岡家は、ラーメン店を展開している企業で、東日本エリアを中心に150店舗も展開しています。

いずれも、『マネーフォワード クラウド経費』をご導入いただいています。

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(左から瀧、キャディの柿澤さん、ケロッグの門野さん、丸千代山岡家の田中さん)

モデレーターは、昨年の基調講演も担当したFintechといえばこの人!のマネーフォワード取締役の瀧さんが務めました。

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社員数が4倍に、効率化ではなく作業の必要性を問うことが必要

キャディの柿澤さんは、異色のキャリアで、ブロックチェーンやFintech事業の立ち上げなど事業開発もできるブロックチェーン会計士として活躍の後、立ち上がったばかりで社員20名程のキャディに入社。管理部の立ち上げを経験し、入社当初は、一人で経理・労務・総務・法務などコーポレート部門全てを担当していました。

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コーポレート部門の仕事を一手に担いながら、時には人材採用の面接まで合間にこなすことも。笑いながらお話されていましたが、管理部門に負荷がかかりやすい月末月初には、口内炎が治らないなど、身体にも負担があったそうです。

そんな時、この作業を誰にやってもらうとか、作業をどう効率化するとかを考える以前に、そもそもその業務は必要なのかということを考えることが大切だと思ったそうです。

『マネーフォワード クラウド経費』が目指している世界もまさにそうで、経費精算業務をもちろん効率化するけれども、最終的にはその業務を自動化し、ゼロに近づけていきたいというのが目指しているところです。

プロセスを見直し、なぜやるのか理由がないものは辞める

門野さんがケロッグに入社したのは2015年で、2011年~2013年頃にかけて競合からシリアルの商品が多数発売され、シリアルの市場全体爆発的に伸び、取り巻く環境が大きく変わったあとの時期でした。市場の変化によって社員に求められることも増え、競合と比較して何ができるか深堀をして提案をしていかなければならず、今までよりも社員は忙しくなっていました。

そんな社員に間接業務の時間を割いてもらうのは難しい状況で、2016年に会社で働き方改革プロジェクトが立ち上がりました。そこから、門野さんがプロジェクトを率い、フルフレックス制度の導入やリモートワークの整備を進めてきました。同時に会計などのバックオフィス業務の効率化も検討する中で、『マネーフォワード クラウド経費』の導入に至りました。

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ただ、『マネーフォワード クラウド経費』のようなモノ(システム)を入れることが目的というよりは、プロセスを見直すということを重視して進めてきたそうです。

例えば、社員自身が行なっている作業を、なぜをやるのかというのが理解できていなかったり、それに対して社員がやめようという勇気もなかったりしたんだそうです。今まで善として行なっていた業務が、そもそも必要なのかどうかということを一つ一つ確認し、全ての無駄を省いた結果、システム導入するという手段になったというのが、お話を聞きながら感じ取ることができました。

経理でありがちな“ピークがある仕事”を分散させる

今回登壇いただいた3社の中で、管理部門のご担当ではなくシステムを担当している田中さん。田中さんは、丸千代山岡家のIT部門の責任者をしており、経理や総務の担当者に向けて、システム導入の提案を日々行なっています。そんな提案を進める中で、導入を決定したのが『マネーフォワード クラウド経費』でした。今まで田中さんが社内でシステム導入の提案をしてきましたが、20回程提案して結果は1勝19敗という感覚…。なかなか導入に至るまでは難しかったそうです。しかし、『マネーフォワード クラウド経費』は、バックオフィス改革だけでなく会社全体(店舗全体)としてメリットが大きいため導入を進めることができたとのこと

ラーメン店の運営においては小口現金を利用することが多く、店舗の従業員が経費のレシートを経理部門に送るという作業が発生します。経理担当者にとって大変なのは仕事のピーク。月末になると、150もある店舗から大量のレシートが送られてきます。こういった業務フローをみている中で、仕事のピークを平たく分散させることで経理担当の業務負荷を軽減したいと考えたそうです。

実際に、『マネーフォワード クラウド経費』では、レシートを受け取った後にすぐにレシートを撮影し記録しておくことで、経費のデータとしてすぐに処理できるようになります。

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3社3人の取り組みでどう変わった?

『マネーフォワード クラウド経費』を導入して、なんでも解決ができる訳ではなく、導入するときにはもちろんハードルもあります。それでも、効率化をすることで新たに生まれる時間があります。ハードルを超えて、新たに生まれた時間でできるようになったことについても触れていきます。

ハードルについては、マネーフォワードにとっては少し耳の痛い話。でも、イベントに参加されている皆さんにとっては、とても気になるところだろ思います。この辺りお話も、モデレーターの瀧さんが、3人に切り込んでいきます。

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ここで瀧さんも一言触れていましたが、去年のイベントでも、経理担当同士の悩みはてんこ盛りです。今年の「Expense expo 2019」では、『マネーフォワード クラウド経費』のユーザーの方々限定で、カスタマーサクセス担当に使いづらいところや悩みが相談できるプログラムも用意していました。

結果的に事業の解像度が上がった

導入に対して社員からの抵抗はなかったという柿澤さんですが、利用してみて『マネーフォワード クラウド経費』のようなSaaSのサービスに関して仕組みを詳しく教えてくれる人がいなかったり、あとあと処理を間違えていたということもあったそうです。

一方で、手を動かすという時間が減ったことで、社内で話す時間が増えて色々な部署の問題点をヒアリングできるようになりました。結果、事業の解像度が上がり、日々会社で何が起きているかわかってきて全社目線を持てるようになったそうです。

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バックオフィスの仕事は時間を奪うが返すこともできる

2013年にシリアル市場が急変してから、組織までも変わったというケロッグの社内。門野さんはその変革の真っ只中で、社員に対して慣れていたことを変えていくという声かけをしなければいけない立場でした。『マネーフォワード クラウド経費』を導入することも同じで、今までの経費精算のフローは変えなくてはなりません。大変なことではありますが、経営一帯になって、本質的にやってもらいたいことに力をかけてもらえるようになる、と信じて導入を進めてきました。

強い想い持って進めてきたことで、最終的には働いている社員が間接業務にかかる時間を、他のことをやる時間に変えることができたといいます。多くの場合、管理部門から社員にお願いすることは、楽しくもなければやりたくもないと思う業務です。それを、ある一定レベルお願いしなければいけないので、社員の皆さんにやってもらう時間を削減してあげることが重要です。

門野さんは、管理部門の部下に、バックオフィスは相手の時間を奪うこともあるが、一方で時間を返すこともできると言っているそうです。門野さん自身も、時間は有限で一回無駄にしたら戻ってくることはないのでそれをどうやって有効に使うかというのを常に考えているそうです。

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現場の人たちがどこまで簡単にできるかを追求

田中さんは、経理や総務の方々とコミュニケーションを取りながら『マネーフォワード クラウド経費』を導入してきましたが、最初のうちは管理部門の仕事が減るわけではなく増えてしまったり、導入にあたって全社に関わることなので、それらを説得することがとても大変だったそうです。

しかし、導入した結果、2名体制でやっていたレシートの処理が、スマホで撮影するだけになり、本来業務でない仕事から店舗スタッフを解放することができました。これらを通じて得られた時間を、店舗の接客時間に増やせることは価値があることだと思うと語りました。

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管理部門から会社を変えるのは骨から身体を変えるようなもの

企業規模やバックオフィスの組織体制も異なる3社にお集まりいただきましたが、最後に10年後の未来についても3社で語っていただきながらセッションを終えました。3社のお話全てが、管理部門を変革をしてきた成果とも言える「今」があるからこそ、これからの未来を積み上げていくことができるのだと感じる内容でした。

3社の変革までの過程や課題、そして結果を聞いてきましたが、管理部門から変革を起こすことは、全社に関わる業務フローが変わったり、全社の働き方や業務効率に変化を与えることがわかりました。最後に、瀧さんからの、「管理部門から会社を変えるのは骨から体を変えるようなものだ」というコメントでセッションを締めくくりました。

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『マネーフォワード クラウド経費』の最新機能と未来

そのほかにも、経理担当者に役立つ情報をお話しするセッションを多数企画しましたが、次にクラウド経費本部長の今井さんが登壇するセッションをご紹介します。

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セッションでは、導入企業の株式会社ハヤカワカンパニー様にゲストとしてお越しいただき、システム選定の過程や、表計算ソフトでの経費精算からの脱却、電子帳簿保存法への対応までの道のりについてなどを詳しくお話しいただきました。

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そして今井さんから、『マネーフォワード クラウド経費』の新しい機能や関連サービスについて発表しました。
中でもお伝えしたいのは、こちらの3つのトピックス。

①軽減税率対応機能
2019年から消費増税・軽減税率制度が開始され、レシートは複数の税率で記載されることになります。それを分けて入力してくれるオペレーター入力機能があります。これを使うことで自動的に、複数税率での振り分け入力が可能になります。

②利用明細&領収書自動取得対応サービス
経費精算業務においては、利用明細だけでなく領収書が必要になります。そのため、領収書を自動で取得してくる機能を提供しています。それが、この度8月に特許を取得しました。

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③『ICカードリーダー by マネーフォワード』
iOS13の配布が9月20日に開始され、それと同時にiOS13から利用できるアプリ『ICカードリーダー by マネーフォワード』を提供開始しました。これまで、Android版だけで提供していましたが、iPhoneでもSuicaやPASMOなど全国14種類の交通系ICカードをタッチするだけで、残高や利用履歴を取得することができるようになります。取得した利用履歴は、お金の見える化サービス『マネーフォワード ME』や、クラウド型経費精算システム『マネーフォワード クラウド経費』と連携することで、家計管理や経費精算の効率化ができます。

実際の画面はこんな感じです。あっという間に利用履歴がわかります。

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『ICカードリーダー by マネーフォワード』についての開発についてのストーリーはエンジニアブログや当社のWantedlyからご覧いただけますので、そちらもぜひのぞいてみて下さい。

これらの発表と共に、今後の『マネーフォワード クラウド経費』の未来についてお話ししました。

ユーザー限定の情報交換会も開催

「Expense expo 2019」は、ユーザー同士の交流を目的に開催しています。昨年はカクテルパーティでの交流の場を設けましたが、今年はそれに加えてクラウド経費本部のカスタマーサクセス担当が直接アドバイスしたり、活用術についてお話しする情報交換会や、開発責任者がクラウド経費APIを使ってできる経理業務についてお話しするプログラムも開催しました。

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(情報交換会の様子、解説しているのはカスタマーサクセス担当の石塚さん)

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(APIのセミナーを担当したのは、福岡にいる開発責任者の黒田さん)

参加者と社員で交流!カクテルパーティーを開催

全てのセミナープログラム終了後は、参加者同士や社員と交流するカクテルパーティーを開催。かための雰囲気だったロビーにも、美味しそうな料理が並び、参加者と社員で乾杯をして、交流を楽しみました。

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(エンジニアの杉本さん、江藤さん、フィールドセールスの大久保さん、北嶋さん)

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(インサイドセールス担当の木村さんとカスタマーサクセス担当の逆瀬川さん)

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(登壇いただいたハヤカワカンパニーの半谷さんと、マーケティング担当の成末さん)

カクテルパーティーも盛り上がり、盛況のうちに終了しました。朝からの準備、終了後の片付けに、クラウド経費本部の社員一同全力で運営し、おもてなしをした1日でした

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「Expense expo 2019」をきっかけに、『マネーフォワード クラウド経費』に興味を持っていただいたり、ユーザーの方々によりサービスを好きになっていただけたら嬉しいです!

クラウド経費本部 本部長の今井さんが綴っている『マネーフォワード クラウド経費』のプロダクトに関する記事もぜひご覧ください。


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